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茶話指月集は、何話なのかという課題


過去に、「茶話指月集は、全58条」という記事を書き込みました。

先日、淡交社『現代語でさらりと読む茶の古典 茶話指月集、江岑夏書』を漸く入手しました。大変参考になり、有難いことです。一方、江岑夏書については、今後この本を基に再読できるかと思うと楽しみです。

それはさておき、

茶話指月集については、谷端昭夫氏の解説では、収録茶話は本編が62話、付記が45話とあります(p107)。この本では、■のしるしが氏の言う本編数と思いますが、どうも59しかないようなのです。岩波文庫(熊倉氏は58条と言及)と本文を比較してみると、淡交社本は岩波本の46条が2ツに分かれ、それで+1のようです。

一方、東洋文庫本を見ますと、57話のようです。岩波本と比べると、岩波の30話、31話が合体して、1話分になっています。

次に、付記に関しては、「附り」のあるものは29話。但し、附りがまた複数の話の場合もあります。私の数え方では先月は36話、この何日かで読み直し数え直してみると50話。我ことながら相当いい加減な読みです(苦笑)。ゆっくり読み直してみようと思います。

又、村井康彦氏が、本編が何話であると書いたものを目にしたように思いますが、今引用できません。

何れにせよ、元禄時代のものですから現代表記とは違います。句読点の存在も不明ですし、行替えも翻刻者の判断であったろうと思います(版本は見ていません)ので、どれが間違いとか正しいということ無いです。

 

以上、煩瑣なお話しを失礼しました。「数なんていいじゃないか、問題は本文の内容でしょ」と思われる方も多いと思いますが、以前に書いたように、私としては、番号を同定した上で引用したい、というだけです。ご勘弁ください。


最期に、数える単位は「条、段、章? 何が相応しい言葉のか」と定まりませんでしたが、谷端氏のいう「話」はいいですね。何せ、茶話ですから。上記では、混在して書きましたが、今後私は、話で統一したいと思います。




# by tamon1765 | 2023-02-26 23:12 | | Trackback | Comments(0)

お茶の販売業界への疑問とお願い


表題の件、何故だろう。何か変だな、と感じることを書きます。


街角のお店でお茶葉(煎茶)を求めますが、その品種名が分かりません。

お茶の品種は、農林水産省の登録品種として、「茶農林ナン号」を1から列挙するとべにほまれあさつゆみよしたまみどりさやまみどりやぶきた、まきのはらわせ、こやにし、ろくろう、やまとみどり、たかちほ、いんど、はつもみじ、べにたちわせ、あかね、なつみどり、やえほ、あさぎり、きょうみどり、はつみどり、べにかおり、べにふじ、ひめみどり、いずみ、さつまべに、おくむさし、やまなみ、べにひかり、うんかい、かなやみどり、さやまかおり、おくみどり、とよか、おくゆたか、めいりょく、ふくみどり、しゅんめい、みねかおり、みなみかおり、さえみどり、ふうしゅん、みなみさやか、ほくめい、べにふうき』と続きます。

一方、平成23年の数字ですが、茶園面積(数字は全体に対する%)は、『やぶきた76おくみどり2さえみどり2、あさつゆ1、かなやみどり1、さやまみどり1』と圧倒的に「やぶきた」です。

販売パッケージには、その製造元が決めた商品名が踊っていますが、茶の品種名(例えば、やぶきた)を明示しているものはあまり見かけません。だから、あさつゆを飲んでみたいとか、みよしを飲んでみたいと思っても、ちょっと難しそうです。


話変わって、お米の話し。

お米は、『コシヒカリ、ひとめぼれ、あきたこまち、つや姫、ゆめぴりか等々』品種名を前面に出して販売しています。逆に、お米の品種を明示することなく商品名(例えば)『美味い高級米』などと表示されていても、「中身は何だろう、怪しい」とつい思ってしまい、手が出ません。


この煎茶とお米の違いとは何でしょうか。煎茶の販売に対する疑問を感じます。幸い、私は、やぶきた以外を飲んでみたいとの思いから、手元は「ゆたかみどりふかみどりふくみどり」があります。このように、品種ごとの販売をしてほしいです。



以上は、前に書きかけた記事なのですが、その後気付いたことは、抹茶におけるブレンドという問題です。インドの紅茶のブレンダーは高い地位と名誉を与えられると昔聞きましたが、日本ではどうなのでしょうか。日本の茶師も、多くの種類の抹茶を、毎年同じ味で同じ予算で作り出さねばならず、その苦労は大変なものと思われます。抹茶がそのような過程を経て、『○○の昔、○○の白』といった製品が作られていくわけです。逆に、そこでは「やぶきた品種60%、あさつゆ品種30%、みよし品種10%」といった表示はそぐわないようにも思えます(抹茶に向いた品種があるのだろうと勝手に想像していますが、実の処、私は無知です。イヤ品種内訳を知りたい気分もありますが、そのものの違いも分かってないのだから意味の無いことなのかもしれません)。

煎茶の表示もその流れでしょうか。しかし、単体で特定品種を飲んでみたいし、見つけると嬉しいです。どうあるべきか、難しい問題を含むのかな、と疑問符のついたまま私なりの結論が出せません。

皆さんはどうお考えでしょうか。




# by tamon1765 | 2023-02-26 17:17 | 茶つながりで、の雑談 | Trackback | Comments(0)

オークションから考えたお茶碗の扱い


某オークションを覗いたら、天目茶碗が多数出品されています。興味深く拝見。しかし、商品説明を見てその意味が読み取れず、考え込んでしまいました。


<引用開始>++++++++++

商品説明

夜にお茶を茶碗に残したり、わざと茶碗を洗わないようにしたりすると、効果がもっと速くなります。一日が過ぎると、釉薬面はますます乾燥し、暗くなり、結晶もますます暗くなることに注意してください。茶碗を飼うには、茶碗でお茶を飲んで、よく洗わなければなりません。これは細水長流の時間彫刻です。

<引用終了>++++++++++


何の効果が速くなるのでしょうか。

取り敢えず、茶碗の色あいが良くなり自分なりのお茶碗になっていく効果、と私なりに考えました。しかし、この文では「お茶を茶碗に残したり、わざと茶碗を洗わないように」するのがいいのか、「よく洗わなければ」ならないのか、この説明文筆者の言わんとすることは読み取れません。

例えば、萩焼は、貫入への浸透によって「萩の七化け」というように長期的にお茶碗の色合いが変わっていき、それを楽しむといいます。また、藤枝静男の小説『田紳有楽』には、お茶碗に古さびた趣を出すために、庭の池に何年間か沈めておくという話しもありました。実際に、ズルい古物商がそのような手法を取っているかは知りませんが。因みに、この小説、私の中ではベストテン入りの奇想天外な傑作です。驚愕、そして本当に楽しめる小説です。

処で、このオークションの発送元をみると、海外とありました。意味不明解な日本語は、日本人でない人による文章だからでしょうか。「細水長流」なる言葉も初めて知りましたが、ネット検索すると、明らかに中国語という扱いでした。


書込み前に読み直して、私なりに答えを出してみました。

・「効果」を「色が変化する事」と言い換えて読み直してみる。

・日本語では、「効果」とは良い意味で使い、悪い意味で使う場合はそのような意味あいの形容詞をつける。つまり、善悪判断を前提にして読んでいたからおかしくなっていた。

・効果→ 変化→ 暗くなる(黒っぽくなる)

・結論としては、「よく洗わなければいけない」「お茶を茶碗に残したり、わざと茶碗を洗わないようにすると、お茶碗が黒ずんでしまい、良くない」

それにしても、天目系のお茶碗なので、釉薬がたっぷりかかっていて、貫入はないようにも思いましたが、どうなのでしょうか。


話しのオチとしては、お茶碗をすぐに洗い清潔を保つことは余りにも当然であるのに、何をいまさらと、お笑いになるべき記事といった処でしょうか。


<R5.2.28>追記

最期の一文を加え、本文中も一部文言変更。猶、件のお茶碗は売れていないようです。




# by tamon1765 | 2023-02-22 22:06 | 茶つながりで、の雑談 | Trackback | Comments(0)

昨日の自分に飽きたり <芭蕉>?


昨日の自分に飽きたり

という言葉が、芭蕉にあるそうだ。日々、色々なことにウンザリしている私には、響く言葉であった。処で、芭蕉はこの言葉で何を言わんとしていたのか。過去を振り返らず進歩のみを自らに課すということか、いや、過去を一旦チャラにしたいということか、と勝手な解釈をすぐにしたくなってしまう現代人の悪しき病癖である。いずれにせよ、なんという著作で、どういう文脈での発言か知りたいと感じた。




# by tamon1765 | 2023-02-21 21:34 | ことば | Trackback | Comments(1)

捨てられた硯


私の家の敷地内で、小さな直方体の物体に気付きました。隣家との壁の隙間の軒下。雨垂れ受けの意味で少々大きな石の中に、妙に正確な直方体。

何だろうと拾ってみると、何と、硯でした。

他人の家に放置するのも理解できないですし、それ以上に、硯を捨てるという感覚も私には理解不可能です。

何なのでしょう、もしかしたら何かいわれがあるのでしょうか。

例えば、「子供の抜けた歯は、後ろ向きになって屋根に放り投げる」「節分の日は、恵方巻をその年の恵方の向きに向かって食べる」といった大人(それも齢とってから)になって知ったことも数限りないので、もしかして何か情報のお持ちの方には、教えて欲しいです。連絡お待ちしています。




# by tamon1765 | 2023-02-20 19:03 | | Trackback | Comments(0)

お茶、その他についての、極く私的なブログ


by tamon