鬼とは何か
2007年 09月 21日
『江岑夏書』のある一條について書きます。
このブログでは、8月12日に「江岑夏書 74」として引用した
ものです。このなかで、「おに」という言葉があります。
これに対して、久田宗也宗匠は、まず鬼茶碗に言及され、
「おに」を貴人の毒見役と説明されています。
ところで、このおにという言葉、これが私に馴染みの無い
もので、ずっと気になっていました。しかし、解説そのもの
とでもいう例を見つけたので書き留めておきます。
『曾呂利狂歌咄』巻第二
鬼ということは、よき人の御前にありて、朝夕の
食物盛りたるを、一口づつ食ひて試みする者をいふ。
是毒の試みなり。
乱れたる世には、殊更大将する人は毒のおそれある
によりて、鬼といふものを召置かれけるとかや。(582p)
今、気が付いて字引を引いてみると、やはり先人の蓄積たる
辞典とは素晴らしいものです。あっさり、その記述が見出せ
ました。12ケ載せられている意味のうちの8番目に、「貴人の
飲食物の毒見役。おになめ。」とありました。
角川茶道大辞典にも、「鬼を仕る」とありました。
さて、久田宗匠は、現在のお点前にもこの鬼が繋がって
いるとおっしゃっています。それは、濃茶の亭主が、客へ
服加減のお尋ねをし客の方へ体を回す動きです。ここで、
亭主が客と同列になると言う考えです。
<追記>夢庵さんのご指摘により、本文を一部追加しました。
(9月21日、22時25分)
このブログでは、8月12日に「江岑夏書 74」として引用した
ものです。このなかで、「おに」という言葉があります。
これに対して、久田宗也宗匠は、まず鬼茶碗に言及され、
「おに」を貴人の毒見役と説明されています。
ところで、このおにという言葉、これが私に馴染みの無い
もので、ずっと気になっていました。しかし、解説そのもの
とでもいう例を見つけたので書き留めておきます。
『曾呂利狂歌咄』巻第二
鬼ということは、よき人の御前にありて、朝夕の
食物盛りたるを、一口づつ食ひて試みする者をいふ。
是毒の試みなり。
乱れたる世には、殊更大将する人は毒のおそれある
によりて、鬼といふものを召置かれけるとかや。(582p)
今、気が付いて字引を引いてみると、やはり先人の蓄積たる
辞典とは素晴らしいものです。あっさり、その記述が見出せ
ました。12ケ載せられている意味のうちの8番目に、「貴人の
飲食物の毒見役。おになめ。」とありました。
角川茶道大辞典にも、「鬼を仕る」とありました。
さて、久田宗匠は、現在のお点前にもこの鬼が繋がって
いるとおっしゃっています。それは、濃茶の亭主が、客へ
服加減のお尋ねをし客の方へ体を回す動きです。ここで、
亭主が客と同列になると言う考えです。
<追記>夢庵さんのご指摘により、本文を一部追加しました。
(9月21日、22時25分)
by tamon1765
| 2007-09-21 07:48
| 『 江岑夏書 』
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