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山の上の宗二は、囲炉に火床と云て

14 山の上の宗二は、囲炉に火床と云て、切炭にて、井筒のことくにくみ
て、中三寸計にして、それへ灰しかけ、さて炭おき流入、一段よき物也、某
も久用之たる也、客なき時は、釜つりさけ、一日一夜有物也、其時分には、
火きれさるを手柄とせし也、かの山の上の宗二、さつまやとも云し、堺にて
の上手にて、物をもしり、人におさるる事なき人也、いかにしても、つらく
せ悪く、口悪きものにて、人のにくみしもの也、小田原御陣の時、秀吉公に
さへ、御耳にあたる事申て、その罪に、耳鼻そかせ給ひし、其子を道七とて、
故相国様の茶道して、御奉公申せし、又、父の伝をうけ、短気の口わる物に
て、上様御風炉の内あそはされし跡をみて、つきくくし仕なをしけるにより
て、御改易に逢、牢人して、藤堂和泉殿伊予在国の時、下国し、その申ひら
きなとして、我も有合て、一冬はなせし也
by tamon1765 | 2004-08-14 20:09 | 『 長闇堂記 』 | Trackback | Comments(0)

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