相伝についてのおかしな話し
2015年 08月 13日
ウェブ上の質問コーナーにおかしなものを見つけた。そして、
そのやり行為を考えるうちに、私としては何か一つ、開眼
した気がした。(勿論、自己満足ではあるが、笑)
それは、流派では相伝ものとされるお点前に関しての、ウェブ
上での、つまり公開での質問である。
私には、実に色々なことを考えさせてくれた。
ここに内在する問題では、二つの言説を含むと考えられる。
A) これこれのお点前はコレコレこうするのである。
B)相伝もののお点前はその免状所有者でないと伝えない。
そうでない人に公開してはならない。
さて、この質問者は、Bを無視して、Aのお点前のやり方を
質問しているわけである。
この方は、一方に関しては守ろうとせず、一方に関しては
詳しく知ろうとする。(質問して知ったことを守るつもり
なのであろう)。
もし、これが逆(Aを無視し、Bに関しては守ろうとする)
だったらどうなのだろうか。
教わったお点前の手順を全く無視し、「段階を踏んで相伝もの
については口伝で学びなさい」ということのみ墨守する。
この場合、口伝で教わったことの内容が点前のはずであるの
だが、その教わったやり方を無視すると言うことになる。
これはナンセンスの極みだ。
さらに、先生を無視し、その教えを馬鹿にしていることになる。
Bは、Aなどを含む個別の事項を通底する規範と云える。
法といってもいいだろう。
一方、この質問者が遵守するために知りたがっている、お点前
の手順・仕方もまた、法であろう。それを全く無視していれば、
「これは、ウチの流派のやり方じゃないわネ」と、相手にされ
ない。何しろ、そのやり方が流派の法なのであるから。
つまり、二つの教えは同じ教えである。
矛盾を感じないのだろうか?
とにかく、私には首をかしげるばかりの事柄だ。
(続く