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7.芦屋釜は。摂津の芦屋ではない。


○芦屋釜は。摂津國のあしやにてはなし。筑前国の芦屋

にて鋳し釜なり。雪舟の下絵を最上(サイジャウ)とす。雪舟は石見國

の人なりしが。時々芦屋の里を遊行ありしを。冶工請じて

下絵をかきもらひしといふ。一説に大内家其頃威勢盛(サカン)に

なりしゆゑ。芦屋の冶工をよび。雪舟をもまねき。其絵を

かかせ。鋳させしともいふ。松杉梅竹の類なり。其子孫の代に

大禁を犯せし罪人を釜煎ありし時に。其釜を鋳たりし

より。茶人芦屋の新釜を好まぬゆゑ。今世は常の鍋釜を

のみ鋳て渡世すとなん


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若い頃、古釜は芦屋天明、と聞いてずっと阪神地区の高級

住宅街の芦屋と思い込んでいた。

書き出しの一文をみると、江戸期も私のようなそそっかしい

人間で溢れていたと想像しうる。

それにしても、この話の後半部分はいただけないというか、

とにかく私の嫌いな類の話だ。こんな話をこの逸話集に

入れないでほしいと思う。その釜そのものを茶会の何かに

使ったわけでもないのだから。




by tamon1765 | 2021-07-18 22:43 | 『 茶窓閑話 』 | Trackback | Comments(0)

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