<   2009年 08月 ( 11 )   > この月の画像一覧

墨絵に書し松風の音


表千家七代目如心斎宗匠の
   茶の湯とはいかなるものをいふやらん
             墨絵に書し松風の音

の歌が気になっています。
平面の絵画から音が立ち上がってくるということは
はたして、どういうことなのでしょうか。

どのような文脈のなかで、語られているのかと出典を
紐解きますと、『不白筆記』のなかにあります。

歌の前に
 冬木喜平次より茶の湯の一品を如心へ所望致候得ば
 書て送りけるに

とあるだけです。

さて、私どもは会記を目にし、即物的にこの道具は
ナニナニでダレダレの作で、とお話しします。
一方、平面絵画から3次元的にその景色が現われる
だけではなく、妙なる音が響いてくるということは
とてつもないことです。

想像するに、ものをものと見ているのではなく、もの
そのものに秘められた物語を読み取ることであり、
ものとものとの関係性のなかから、別の世界を感じ取る
ということなのでしょう。
恐ろしく頭脳的な操作を行わねばならなく、且つ、
多くを感じ取りそれを膨らませられる感性が必要という
ことなのでしょう。
さらには、イメージの連鎖、本歌取りと言い換えても
よいかもしれません。それを行えるだけの蓄積を要する、
ということなのでしょう。

もっともっと修行が必要とあらためて感じました。
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by tamon1765 | 2009-08-25 22:58 | ことば | Trackback | Comments(4)

棗の実

棗は、もっとも一般的なお薄器として、お茶に興味の
ある方には近しいものです。
しかし実の処、私はよく知らなかった。
そういう実があるらしい、といった程度。

しかし、今は、多様化、グローバル化?の時代。
いろいろなものが商店に並んでいます。
ちょっと気にすれば、すぐに、ドライの棗を求める
ことが出来ます。
中国産と聞いて、危惧する向きもあるかもしれませんが、
まあ、そこは気にしない気にしない。
実際に自分で扱えば、また棗というものに情も深まると
いうものです。

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クコの実と共に求めて、出来たものが、
棗酒。
1ヶ月程度で琥珀色の良い色合いのものが出来ます。
梅酒などに割ってもいいでしょう。






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そのまま呑んでいると、ある時、何かの味を思い出しました。考えた結果、この味は養命酒に似ています。
確かにナツメもクコの実も漢方薬としても重宝されていたと思います。



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なお、コースターは、宇治の万福寺で頂いてきた
雲板型のコースターです。
黄檗山と読めます。
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by tamon1765 | 2009-08-25 02:38 | お道具とお茶室 | Trackback | Comments(4)

憧れの果物、まくわ瓜についに遭遇

以前話題にしました、大燈国師も好んだという
まくわ瓜」をついに食する機会に恵まれました。
入荷元は、国立ファームです。(地名の「くにたち」で
あって「こくりつ」ではありません。念の為)

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わたしには、「こりゃあメロンですね」というお味で、
とっても美味しかったです。

なかなか無いものと思っていましたが、新潟県の稲作農家
では先の戦さの前後に、各農家で生産し食べていたとの情報
も得ました。きっと、日本各地で育てられていたのでは
ないでしょうか。

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わたしの求めたものは、大きさ15cm程度。380円でした。

ところで、メロンといえば、岡倉天心さんの話。
赤倉の別荘に、温泉を引き、その温泉熱を利用した温室を
作ったそうです。そこで、カルフォルニアのメロンを栽培した
とのこと。本人は 「美味い、美味い」 と食べたが、家族や近隣
の人は 「なんて変な味だろう」 と首をかしげたそうです。
本人は、「高田まで持っていって売ろう」 とまで思ったそう
ですが、ぐいぐい我を通す天心らしいではないですか。
もしそれが実現していたら、日本人のメロンの嗜好も微妙に
違っていたかもしれませんね。
この話はお孫さんの古志郎さんによります。


<21.8.25追記>友人の話しでは、韓国ではチャメといって、
5ケが300円程度で買えるそうです。
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by tamon1765 | 2009-08-23 21:38 | 雑談 | Trackback | Comments(2)

石州三百ヶ条の成立

西山松之助先生によると、「石州三百ヶ条」とは、
釈迦入滅後の経典結集の形式で成立した本であり、
石州本人が書き残したものではない、という。
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by tamon1765 | 2009-08-12 21:44 | 片桐石州さん | Trackback | Comments(0)

「茶禅一味の会」

9月4~6日に、
新潟市 大栄寺、北方文化博物館(新潟市江南区沢海)にて
茶禅一味の会」による、
静坐会・参禅会・講演会・交流会・茶会・講演会
があります。講師は、
  林原美術館 熊倉功夫館長
  京都造形美術大学 芳賀徹名誉学長
  人間禅師家 了空庵堀井無縄老師
です。

実は今行こうか迷っています。
たまには、旅に出たいなって。
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by tamon1765 | 2009-08-11 12:37 | Trackback | Comments(6)

箒庵高橋義雄さんの名前の読み方

箒庵高橋義雄さんをどうお読みするでしょうか?

私は初めは「ソオアン」と発音していましたが、或る時から
「ホオキアン」と読んだほうがいいのではないかと考えて
そのようにしてきました。

ところで、写真図版で、ご本人の書かれたものを目にしました。

 ちる花も紅葉もはきて春秋のあはれをしるは箒なりけり

とあり、やっぱり「ホオキアン」でしょうと思いました。
ある種自己陶酔が入っていますが、なかなか良い歌ではない
でしょうか。

話換わって、荷風全集をめくっていたら、興行会社の松竹を、
荷風先生は「マツタケ」と呼んでいるのですね。
おもわず、微苦笑です。

名前の読み方って難しいですね。



<26.1.18>追記
淡交社の雑誌「なごみ」1986年2月号を眺めていたら、
音羽の護国寺の箒庵の床に掛けられた自筆和歌の写真を
見つけました(P20)。
以前この記事を書いた時、自筆の写真図版を目にしたと
ありますが、ちゃんと記録しなかったことが悔やまれます。

<24.8.7>追記
箒庵自身の「箒のあと」(上p413)によりますと、
・麹町の自宅に、大徳寺寸松庵の茶室(三畳台目)を移築!し、
 新しく、東山西翁院の淀見の席(三畳)を模造した。
・自宅の庭の景色に、塩原の箒川を写した。元々は箒庵は水戸藩
 出身なので、近県の塩原は近しい場所であったことが想像される。
・新茶室を箒川庵と名付けたが、3字では納まりが悪いので、2字
 とし、いつしか雅号になった。
・上記の箒庵の和歌は、常磐会という歌会(山縣有朋主宰)で、
 詠題「箒」の際に詠んだ歌。選者宗匠は4名いて、うち一人が
 井上通泰博士。
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by tamon1765 | 2009-08-10 12:35 | 近代の茶人 | Trackback | Comments(2)

お茶銘 「ナニナニの昔」

お茶は、ご存知のように、「ナニナニの昔」「ナニナニの白」と
いう銘が多いです。
昔という字の奥ゆかしさもさることながら、分解した「廿一日」
を表すというのが、昔からの言い伝えと聞きます。

しかし、この21日というのが、私には、なにか薄ぼんやりでした。
林屋辰三郎さんが紹介する説は、八十八夜の前後21日ずつをとって、
その間に摘んだ新芽からのお茶に名付けた、というのです。

何でしょうねえ、空の晴れ渡った気分になりませんねえ。
もっと明快な説明をご存知の方はおられませんか。
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by tamon1765 | 2009-08-08 21:43 | 雑談 | Trackback | Comments(3)

天心はハイデガーの先生

マルティン・ハイデガーに、“Inner-Weltlich-Sein”
世界内存在という概念があるが、なんとこれは、
天心の“being in the world”(「茶の本」)
を取り入れたという説があるという。
もしそうならば、天心はハイデガーの一字の師ならぬ、
一概念の師ではないか。
それもハイデガーにとってキーとなる概念の!
ということになる。
なかなか愉快だ。
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by tamon1765 | 2009-08-05 23:57 | 天心岡倉覚三さん | Trackback | Comments(1)

角川の図説茶道大系

京王百貨店の古本市、どうにも我慢できずに、
最終日に飛び込みで行ってしまいました。
全くもって、意志薄弱です。

結局購入したのは、5冊
「 図説茶道大系1:茶の美学 」角川
「 図説茶道大系2:茶の文化史 」角川
「 図説茶道大系6:茶に生きた人々(上) 」角川
「 図説茶道大系7:茶に生きた人々(下) 」角川
「 現代思想と道元 」春秋社

この角川の叢書は図版(それも貴重な文書の写真!
あるいは昭和30年代の茶の旧跡の風景写真等)が
多いので、眺めるのが楽しみです。

683×4 + 500 = 3,232
ということで、3,232円でした。
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by tamon1765 | 2009-08-04 22:48 | | Trackback | Comments(0)

アン・ヘリングさん

「もう本を買うまい。勿論、経済的理由、空間的理由、時間
的理由で。」と心に誓いながら、この季節、夏の古本市の案内
として、カタログが送られてくる。
思わず、ラインマーカを手に持って、開いて生唾を飲み込む
という構図である。
行きたいけど行ったら最後、余計なもの買っちゃうからなあ、
と我慢、我慢。

ぼんやり考えていたら、昨年、京王デパートの古本市で
アン・ヘリングさんをお見かけしたことを思い出した。

アン・ヘリングさんは、起こし絵の収集家・研究家。たしか、
法政大学の先生をやられていた。
おそらくもっと広い分野の肩書きをお持ちなのだろうが。

思い起こせば、20年以上も前、渋谷の「たばこと塩の博物館」
でへリング氏所有の起こし絵展があった。
へリングという方の存在自体、そのとき始めて知った程度だ。
私はこういうものが大好きなので、ワクワクしながら見て回った。
ところが、菅原の賀の祝の場面の説明書きが違っている。
その場合、普段、博物館では受付に間違いを指摘して帰るのだが、
係りの人とはフロアも違うし、ものを前でないと煩雑で伝わり
にくいので何も伝えずに帰った。
そのことはちょっと気になっていた。

そのすぐ後、たまたま、どこぞの美術館での展示の中に、
起こし絵が2、3展示されていた。
そこに外人のおばちゃん(その時点でも、お婆ちゃんぽい人)
が熱心に見ておられた。
顔は知る由もないが、直感で、へリングさんと感じ、
「あのー」と話しかけ、渋谷の展示の賀の祝のことも伝えた。
あの頃は私も若かったのだろう、今では出来ないことだ。
出会いはそれだけ。はるか昔のこと。

それが、昨年京王デパートの古本市で、お見かけしたのだ。
一瞬、ンー?どなただっけ?
と思いながら。
この方は、確かにアン・ヘリングさん。
いろいろ買い占められてますねえ。
お声をおかけしようかと思ったが、決心がつかなかった、
私も寄る年波に負けた形といった趣。
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by tamon1765 | 2009-08-02 05:47 | | Trackback | Comments(3)

気ま~まな独り旅


by tamon
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