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香川靖嗣の会

ご存知のとおり喜多流に香川靖嗣さんという能楽師がおられる。

喜多流といえば、昭世さんという今の能界での最高とも言われる
名手がいる。ほか、亡くなった菊生さんなど、多士済々のなかで、
忘れてはならない人である。

ところで、以前から、名人喜多六平太に対して 「鋼の肉体」 と
いった形容を書物で目にしてきたが、いまひとつ私には現実味の
ない言葉であった。
しかし、香川さんの能を見た瞬間、「(鋼の肉体とは、)このことだったか」
と、氷解したのであった。
体の動き、姿勢、馬に乗った姿など、その一瞬一瞬が、強力な印象で
残っている。.

私の尊敬する能文学の先生にそのことをお伝えすると、
「そうかもしれませんね」とのお言葉。
わが意を深くした。

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by tamon1765 | 2007-04-29 14:37 | 舞台の話 | Trackback | Comments(3)

一花廻且数歌廻

古いメモにこんなものがあった。

一花廻 且 数歌廻
(一花めぐり、かつ、数歌めぐる) あるいは
(一花まわり、かつ、数歌まわる) 

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何だっけ?
と思いながら、噴き出してしまった。

この意味は、
桜花が一つ開き春を感じ、次に、茶摘の時期になり、
多くの茶摘女の茶摘み歌が聞こえてくる。
毎年繰り返される、季節の流れである。

と、こじつけの意味もあるが、実は、
これは、昔わたしがお遊びで作った文字の並びだ。
七事式 (千家系でない方は馴染みが無いかもしれま
せんが) の7つを覚えるためのものだった。
どうぞ、笑って読み流して下さい。

なお、七事式は、「一二三、花月、廻り花、且坐、数茶、
茶カブキ、廻り炭」です。
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by tamon1765 | 2007-04-29 09:06 | お点前 | Trackback | Comments(0)

白雲抱幽石

お軸でよく目にする一節である。
寒山詩 (70) を紐解くと、わたしのイメージしていた
ものと、詩の作者の意図とのギャップが興味深い。

この白雲は、どこにあるか。
私は今まで、麓から見上げていた風情であり、
妙義山様のごつごつした岩山かなあ、と。
そして、その景色が茶席に合うものと思っていた。

ところが、この白雲は、彼方の風景ではない。
たった今、この庭先の眺めなのだ。
この詩では、
  庭際何所有(ていさい何の有る所ぞ)
  白雲抱幽石
       庭先に何があるかと言えば、
       そこでは、白雲が幽石を抱いている
とある。
また、寒山のほかの詩 (102) で、
  この丹桂の下に住して
  しばらく白雲を枕して眠らん
或いは、
  つねに白雲とともに閑なり  (25)

  下に山青の際を望み
  玄を談るに白雲あり  (39)

  共に白雲の中に坐せん (14)

という言葉も見出せる。

つまり、寒山は、雲の中に暮らしているのだ。
この言葉は、白雲を客体として眺めるものでなく、
白雲の中に暮らす主体になる言葉と捉えた方が
良さそうだ。

そして、思ってもみなかったことに、
標題の悠然とした語を含む、この詩の結末は、
豪奢な生活をするものに対するきつい批判である。
  寄語鐘鼎家(語を寄すショウテイの家)
  虚名定無益(虚名かならず益なし)


[19.5.9追記] no.25、39の一節を追加。
[20.1.6追記] no.14の一節を追加。
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by tamon1765 | 2007-04-01 15:26 | ことば | Trackback | Comments(2)

気ま~まな独り旅


by tamon
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