古曰?翫物易甚志 バン近嗜茶技之
徒法徳?在此其不可不藝 閑 子 美茶法可 不甚志 編 中 実茶道之 梯而具 其藝大為翫物之旨故来感賞題 末云 源家 享和四年甲子孟春
信長公の時分は弁当というものなし。安土に出来て弁
当といふものあり。小さき内に諸道具のをさまれるといふは。 偽りならんとて信ぜぬものありしとぞ。挿箱(ハサミバコ)といふものも なし。挿竹(ハサミダケ)といふ物を用ひたるなり。挿箱は大阪の津田 長門守はじめて製しとぞ 右数條のうち。茶事に関(アヅカ)らさるやうなるも。或は 心得ともなるべきやとしるし侍りぬ 茶窓間話 二 畢
紀貫之自筆の土佐日記蓮華王院の什物にありしを。定
家卿の写し給へる本。速奇 妙 玄的所にありて。加賀の家蔵 となる。定家本は。全く自分の筆力に写して。末二三葉を バ貫之の自本の本の大さ。字をも形をも模して書れた り。是は後世に貫之が書法をしらざるもの。これを法とせ んがためとてなりと。其跋にしるされたり。是を以て見れば 貫之が自筆は。定家の時さえ 絶?て稀なりと見えたり。今時 往々に人の家?像に。貫之自筆の真蹟とて。所持をするは笑ふべき 事なり。定家卿時代までは。貫之自筆の本ありと見えて。 其本の大さ図をして。定家卿の本にあり。貫之の本は今 は絶ぬ定家本は。老人度々見たりしに。貫之の書法はかへり たる字様なり。今時の贋物とは似るべき物にあらず。此定家 本は。今御堂上方の御蔵にありとぞ
五山の大詩会を短冊切と称す?ず。南禅寺伝長老の
時。短冊切の会あり。龍山賞雪(リョウザンニユキヲシヤウス)といふ題にて。詩を作る 其後絶えてなし。会の式は。五山の長老及西堂会し。早 朝粥を供(グウ)す。而(シカウ)して題評(ダイヒヤウ)といふ事あり。出世の人。各 題一つを書て。一座を互に回しるしかるべきを。其日の題 に定るを。題評といふ。題定まりて後其題を上座の壁に押 す。而して引合残を広き短冊に錐手。三枚かさね。面々の 前に置く。硯筆水滴塔。美を尽くして??。面々に供す。 詩成て草稿を。一座の衆。回して見て後。清書して。座心(ザノマンナカ) の文台(ブンダイ)に載(ノ)す。而して五山より一人で出て吟ず。五 山の吟声おのおの殊なり。詩事畢(オハリ)て。大饗あり。酒宴 乱舞夜に入るとぞ
宗祇は今より百四五十年以前の人なり。其時会の給
仕などせしものに。成庵(セイアン)といへるものあり。老人其成庵に 会せし事あり。連歌の式定まりて盛(サカン)になりたり。宗祇 より已前は百句満る事まれにて。只言捨(イヒステ)のやうに有 しことぞ 連歌師の次第 昌休 昌叱 紹巴弟子 昌琢 昌程 紹巴 元紹 昌叱弟子 元的
立売の町人所持する。定家卿筆の新勅撰集を。細
川幽斎法師求められし時。値白銀拾錠なり。其時分第 一の買人なり。今は烏丸家にありとぞ。
世上に金銀たくさんになる事。今より五十年-寛文の比を云 巳来(コノカタ)なり
慶長の末。佐間浮閑(サクマフカン)が所持の雲山といふ茶入を。金森候 黄金百両程に求むと。或御方にも御聞きありて。其価をあた へんとのたまふ。折節金三十錠?はありて。七十錠不足也 といふ。今の世を甚だ相違す。南都東大寺の奉加に。 頼朝公金五十両を寄進せんとありけれども。其年ヒデリ にて調はへざりしといふ事。東鑑にみえたり
伊予の古寺より出たる。当山名僧の詩巻キツて七幅
とし。世間方々にこれあり。脇坂候に一幅。土井候に一 幅是は茂古林(モコリン)と妙道と両筆のものなり。井伊候に二 幅あるは。定門の手跡にて。巻物なり。麩屋良佐が所に もあり。これは楚石なり
香炉の茶会という事あり。主人炭をなおして後。
長盆に。香炉と交合と。香盤とを置て出す。料理ま だしき時。これを出して勝手口に障子をへたとたつる なり。其時上客。香炉にある香を聞て左の袖より懐に 入れ。たきとめて右の袖より出し。たきがらを懐中して。 次の人へまわす。次の客。又香合の香を銀盤へつぎ。聞て左 の袖より入れて右へ出すこと。初客のごとし。末座に出て。 たき終て。残りたる一タキを香炉に置き。上客に呈す れば。上客勝手口に置て。主人のためにするなり。客五人 ならば。香五片。六人なれば。香六片。香合に入るるなり。大 さは二分四方。厚さは。分半なり。?モシ料理間もなく。又は 客試みんと思へは。勝手口の障子を細めにあけて置く。 其時は初よりつぎて出せる香ばかりを聞てまはし。 勝手口へ直す法なり。香炉も必ず青磁のすぐれたる を用るにもあらず。瀬戸などのこびたるなどよし。心得ある べし。茶屋に棚ありて香炉をおき。香をたく時は。炉へは 薫物をたかぬ法なり
茶の会にヘチクワン流といふあり。是は上京に坂本屋
とて。茶会をこのむあり。おどけたる茶会を出す。は じめ。号を如夢観と云。後に改てノ観といふ。一渓故 道三の姪婿なり。ノ(ヘチ)の字人の字の偏なり。人に及ばぬと いふ意(ココロ)とぞ。利休より少し後なり < 前のページ次のページ >
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