近松の茶の湯理解

「鑓の権三重帷子」を手に取ってみると、近松の茶の湯理解
あるいは、当時の様子が伺われて興味深い。
いくつか拾って見ると、

近国の御一門方御振る舞い御馳走の為、真の台子の
茶の湯なさるべし
 p71

御家中弟子衆の中、真の台子伝授の方へ、御広間本式の
飾り物等勤めさせ申せ
 p71

(真の台子について)師匠市之進一流は、東山殿よりテキ伝、
一子相伝の大事なれば
 p71
台子は足利八代義政に始まると意識している。

幼い時から茶杓の持様、茶巾さばきも習うて置や  p78
袱紗と茶巾の混同か?

翻す涙の袖雫、絞る茶巾の如くなり p80
こちらでは、袱紗との区別が確か。

それにしても、憎っくき伴之丞に、2人の帯を取られて、
大音声で「不義の密通数奇屋の床入。二人が帯を証拠。」と
呼ばれた後は、どうだ。
それまでは、権三と浅からぬ関係のお捨を登場させることで、
おさゐの嫉妬心に火を付け、じゃらじゃらした場面であった。
私としては嫌な一節である。
がしかし、ここで一瞬にして、その後の消え入るような悲しみ
苦しみの場面へ変わる。
まさに、暗転。
この筆法の物凄きこと、まさに天才近松である。


頁は岩波文庫による。
2月5日、読了。


<21.5.12>文を読み易いように一部訂正
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by tamon1765 | 2009-02-25 12:48 | 舞台の話 | Trackback | Comments(0)

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