我慢の人・鈍翁

数日弊蔵へ預り買○伝ニ而
右之候へか老境に入りて道楽も
程あらむと涙を飲みて
暫し辛抱致候


先日訪れた、畠山記念館の展示物のひとつ、
益田鈍翁による即翁宛の自筆の手紙の一節です。

あの鈍翁が「涙を飲んで辛抱する」と言って
いるのが、おかしいです。
あんな大金持ちが? と庶民はつい思って
しまいますが、金持ちには金持ちの苦労がある
らしい、ということですね。
辛抱だと念じている鈍翁を思い浮かべると、
なにやらおかしいと共に、親近感を感じます。

ちなみに、以前、熊倉功夫先生の講演で、
昭和12年の税制改革で、サラリーマン社長の
収入が激減し、近代数寄者の文化が変化を
余儀なくされたというものがありました。
鈍翁、益田家はまさにその典型ですね。
残念ながら、美術館にする前にそのコレク
ションは散逸してしまったようです。

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Commented by たろう at 2008-11-28 15:27 x
僕も会場で読み、この部分に関心を覚えました。

鈍翁が涙を呑んだ真の理由は判りませんが。

程を知る

とか

分をわきまえる

とか

慎む

とか、そういうことの出来る人は美しい、と思います。

ある種のモノを得る時には、自分にその資格があるのか、を自問しなくてはいけません。
長屋の娘もヴュトンのバッグ、なんてのは、笑われなければいけませんね。

金持ちでも貧乏人でも同じこと。
茶人たるもの、そうしたことを学びたいものです。
Commented at 2008-12-05 08:43
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by あべまつ at 2008-12-05 21:35 x
はじめまして。当方の記事をTBありがとうございました。
お茶のことはあまり知らないにもかかわらず、惹かれております。
興味深い記事を楽しませて頂きます。
鈍翁氏の懐の深さ持ち合わせたは、今いるのでしょうかと、
思ったりもします。日本美術の究極がお茶だろうと思います。
Commented by tamon1765 at 2008-12-06 11:09
あべまつさん こんにちは コメントありがとうございます。

>鈍翁氏の懐の深さ持ち合わせた方は、今いるのでしょうか
どうなのでしょうねえ、いると信じたいですし、お会いしたいです。

>日本美術の究極がお茶だろうと思います。
いやあー、お茶ってそれ程凄いものなんですかね?
私は好きだから、お茶を楽しみああだこうだ言っていますが、
日本美術はそれぞれの分野のそれぞれが究極なんだと思います。
それほどお茶を持ち上げることないと、私は思うんですがね。
(一部補足)
by tamon1765 | 2008-11-27 12:42 | 近代の茶人 | Trackback | Comments(4)

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