物事の好き嫌い

お茶碗の写真集を眺めていて、物事の好き嫌いということから、
いろいろと思う。
例えば、私は京焼きのカラフルなお茶碗は余り好みではない。
薄手で直ぐ熱くなることも私にとっては、困った要素だ。
同じように、九谷の緑や黄色の原色主義も、私の趣味と違う。
同様に、交址も違和感を覚える。

では好きなものといったら、伊羅保、蕎麦、井戸、井戸脇、
柿の蔕あたり。
ところで、手元の本(満岡忠成「茶陶」小学館)の雨漏の
小汚いこと。
染みだらけの老人の肌といった趣だ。
これが平戸松浦家に伝来し、不昧公も懇望したが手放な
かったという名品というから、この世は面白い。
現在は松永美術館蔵という。
蕎麦茶碗も、残月といい、青みがかり、口造りの蕎麦に
似た肌合い、私には魅力的だが、これを綺麗でないと見る人
も必ずいることだろう。
柿の蔕に至っては、名品「大津」(藤田美術館)と聞い
ても、「ナンダ、コリャ?」という反応が目に浮かぶ。

ふと考えてみると、ある意味「小汚い」ともいえる
このような器で、食品を出されたらどうなのかな、
とも考え込んでしまう。
極く常識的考えでは、やはり汚いと見えるだろう。

確かに、利休さんは清浄を重要なものとして、懐石の
器類は、新しい奇麗なものを使いなさいとの意味合い
のことを言った。
また、菓子であったか、器の中に懐紙を引いて出した
弟子を誉めたこともあったと記憶している。
おそらく古い菓子器だったのであろう。

これらのお茶碗を善しとする、茶人という種族は、
やっぱり、風狂の輩なのかも知れない。
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by tamon1765 | 2008-06-25 00:02 | お道具とお茶室 | Trackback | Comments(0)

気ま~まな独り旅


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