泡のこと

よく知られるように、表千家では泡は立てないもの
とされています。例えば、手元の本を見ても、

「お茶のたて方は、流儀によっていろいろと違います。
表流ではあまり泡は立てません。泡はごく自然に立つ
だけで、特に泡の立ちすぎるのを嫌います。」 
(即中斉宗匠)イ




「お茶とお湯を混ぜ合わせるといった感じで、なるべく
おいしいお茶の味が出るように、茶筅を静かに使います。」
                         (即中斉宗匠)ロ

「あわは自然にできるだけです。あわをたてるつもりでは
なく、お茶をたてる。「お茶がたつ」とは、お茶のいちばん
おいしい味の出たことをいいます。」 (吉田尭文宗匠)ハ

「お茶は、あまり泡を立てないよう、静かに茶筅を使って、
茶の香の失せないようにします」 (現家元宗匠)ニ

「お茶は、あまり泡を盛り立てないようにたてます。
さらさらと軽く茶筅を使うようにします。」 (久田宗也宗匠)ホ


私のやり方は、手首のスナップを利かすのではない、という
考えです。スナップを利かすと、こんもり泡立つはずです。
いやむしろ、私は、全く利かせません。
ところで、柄杓を持つ場合、腕の線が柄杓と連続性を持ち、宛も
体の一部分となっているが如くが宜しい、といいます。
私はそれと同じで、茶筌を持つ掌も腕も二の腕と一体と見なします。
つまり、振動を起こす蝶番の部分は、手首ではなく、肘でもなく、
肩であると考えます。
もっと言うと、腰で点てるべきなのかもしれません (ここまで
言うと、精神論染みてくるのでやめますが)。
その視点で見ていると、社中で上手に立てると思う方は、茶筌を
振っている時、体全体が小刻みに上下します。スナップを利かさ
ず肩で点てているからでしょう。
半東をやらせて貰うと、とてもよく分かります。お茶会中でも、半東
でそれを感じると、思わず心の中でニヤリとしてしまう私がいます。

このことは、教則本にも、幾らか見出せます。

「茶筌はあまり倒さず、ゆるやかに、手首だけでなく腕全体
を動かすような感じで点てる」 (現家元宗匠)ヘ

「落ち着いて、心を静めて、手先でなく、腕を動かす気持ち
で・・・、」 (即中斉宗匠)ト

「茶せんを持つ手首だけを振らないよう、腕全体が動くよう
いわば腕全体がブラブラするようにして茶せんを動かすことが
コツ。」 (吉田尭文宗匠)チ


最後にお断りしますが、以上は、私の学んでいる流派の考えと、
それ実践するために私はこうしているというだけの話で、それ以外
を否定するつもりはありません。
また、泡を少しでも多く立てて、クリミーにすることで、甘味が
増すという化学的な議論もあることも申し添えておきます。

更に、当然のことながら、以上、半可通の戯言ですので、正しくは
師伝に基づいてください。
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Commented at 2008-03-02 18:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by somi at 2008-03-05 00:55 x
はじめまして、コメントさせてもらいます。

お茶をおいしくたてるのはむずかしいですよね。
自分は堀内 国彦著「茶の湯の科学入門」を読んだとき。
全ての仮説に得心したわけではないのですが、なるほどと思えることがあり点茶ついて考えさせられました。

自分がどのように茶筅を振っているかあまり意識していなかったのですが、ひじより先を使っていると思います。
あえて、泡は気にしないようにしています。

ところで、こちらが本題なのですが四畳の茶室について、ここ数日考えています。
調べてみると長四畳なるものを知りました。
1×4の畳敷のものならば、なんとなく想像がつくのですが
南方録に2×2の記述があるようなのですが(手元に南方録がないので未確認)、どのようなものか想像がつきません。
どこににじり口、床の間をつけて、客は何処に座るのでしょうか?

調査中で勘違いかもしれないのですが、南方録などの茶書をお読みになっているよですので、そのお知恵を少しお貸し願えるとありがたいです。
Commented by tamon1765 at 2008-03-05 12:40
somiさん はじめまして こんにちわ
南方録を久しぶりに手にとる機会を頂きありがとうございます。
ご期待に沿えるお話は、とても私には出来ないと思いますが、
とりあえず、岩波文庫を開きました。
252頁に「長四畳古様」の図があり、炉と掛物の位置は記され
ていて、イメージはなんとなく沸きます。
249頁に「囲いの類」と説明があり、もともと茶室として作ら
れたものではなく、囲いによって必要な空間を作る操作の一つ
のようです。
Commented by somi at 2008-03-08 23:37 x
お返事ありがとうございます。
近くの図書館に岩波の南方録がありましたので、教えていただいたところを早速、見に行ってきました。
いくつか、わからないことがあります。

正客はどこに座るのでしょうか?
右上(亭主正面)の畳の左側でしょうか?
下の2枚の畳は通路のような使い方。
客正面の壁には何か工夫がほしい。
この用法だと小間というよりは広間の様なのですが、tamonさんなら堂考えますか?

風炉の時は炉の蓋の上に置くと書いてあるのですが、風炉を右手にして点前するのでしょうか?
炉、左にも切るなりとあるので、この場合の話なのでしょうか?

五寸板は、いなか間の風情をかもし出すものと覚えているのですが、この場合は別の趣向があるのでしょうか?

よかったら、tamonさんのご意見をお聞かせください。
Commented by 風庵亭主 at 2008-03-11 00:01 x
たびたび お邪魔いたします。 
tamonさんと、どうも同じ時期に同じような考察をしているようで、まあ、茶に関してですが。

私は裏千家ですが、茶の点て方には点てるたびに悩んでおります。

そして、最近は柄杓の持ち方、湯の汲み方に"そうとう"悩んでおります。

腕で汲むのか、カラダごと上下させて汲むのがよいか、
そして、湯を組んだとき、柄杓が肱から一直線なったほうが綺麗か、
それとも手の甲が肱からまっすぐの方が綺麗か、
湯を捨てるとき、合を180度返すと肱が上がりすぎるし、手の甲も折れるので、150度くらいにしておいた方がよいか
(すみません、訳わからないですよね)
などなど・・・・・・

流派に属している以上、また、師から教えをいただいている以上
それにまず従うことが肝要なのでしょうが、
点前をするごとに悩んでしまいます。

これは一生悩んでいくことかもしれませんね。

グダグダの文章ついでに、
自分は”腹・丹田”で茶筅を振っております。
Commented by 夢庵 at 2008-03-12 10:10 x
風庵亭主さま
いつもブログ拝見させていただいております。
(こちらでこんなコメントし失礼でしょうか)
私も柄杓については色々と考えます。
湯を捨てる時にはやはりしっかりと返す(180度)ほうが露がきれる
ので、いいのだろうとは思います。そうすると肘をしっかり上げるよう
になりますね。それでいいのかなと悩んだりします。
柄杓は腕と一体になったように扱うべきなのでしょうか。
あまり手首を使わないのが良いのだとおもいますが・・・
よけいなことを申しました。
Commented by tamon1765 at 2008-03-16 10:23
夢庵さん ご無沙汰です。
>こちらでこんなコメントし失礼でしょうか
全然問題ないです。かえって、この場を使って頂いてありがとう
ございます。
ところで、今日の日曜美術館で尾張の森川さん紹介されてました。
東京にも展覧会が来ると言うので、遂に私も日本橋の三井さんへ
行くことになりそうです。
Commented by 風庵亭主 at 2008-05-01 05:37 x
夢庵さま
この場をおかりして、しかも、2ヶ月も経ちましてのご返事、大変申し訳ございません。

相変わらず、柄杓の扱いには悩んでおりまして、夢庵さまのご指摘どおり手首は使わないようにしておりますが、
これがなかなか難しいですね。
気がつくと、右肩がグググッと上がっており、「なにをそんなに堅くなっているのですか!?」とよく指摘をいただきます。

最近では大リーグ養成ギブスではありませんが、点前養成リストギブスでも考案しようかなと考えております。


ちなみに、茶筅の振り方も以前とは変わりまして、少々寝かせて、手の甲が折れないように肱からの手先までが一直線になり、
そして、tamonさんのブログの投稿を拝借し、肩から水が流れるが如くブラブラを意識して振っております。
by tamon1765 | 2008-03-02 17:59 | お点前 | Trackback | Comments(8)

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