泉屋博古館 「 茶道具 」 展

久々に、六本木、銀座へ行ってきました。
何がなんだか、昔と景色が変わって、困りました。
全くの、今浦島ですね。

目的地は、泉屋博古館。

実はこちらは初めてです。
といいますか、美術館自体、この前は何時何処へ行ったやら
という、体たらくです。

逆に、燃えました。イヤー、素晴らしかった。

パッと入った、第一展示室
先ず目に入ったのは、

◆小井戸茶碗「六地蔵」
おお、懐かしや。
といっても、美術館で目にした、写真集で見た、の程度である。
そして、遠州だな、目の前には伏見六地蔵の景色が浮かんでくる。
この喜びといったら無い。




というのも、言葉だけで広がる世界、その持つ内容もまた、
自分自身でありおのれの根拠ではないかと感じるからだ。
前の晩、或る洋モノ小説を読んでいて、小説中のパリの地名
で何の感興も沸かない(というか、知らない)自分に腐って
いたのである。
茶碗に戻ると、容といい、カイラギの景色といい、今思うと、
この世にこのようなものが存在するのは奇跡以外の何もの
でもない、と思う。
勿論、眺めているときは、いいなあ、いいなあ、とそれだけ
であったが。
仕服のオランダ東インド会社のVOCも興味深い。(紅毛裂とやら)

道具に対する執着を捨てたはずが、我ながら、なんだか......。
しかし、これぞ、眼福。
本当にいいものを見せてもらった。

或いは、◆「紅葉呉器」。
これも懐かしい。釉がけの際出来た指跡のリズム感。
これがなんとも言えず好きだ。
こんな面白い自然造形(人工造形か?)は珍しい。
一方、内箱蓋裏の円窓内の山水画が松花堂昭乗筆というものが
興味深かった。
正方形の中に朱の丸その中に余白いっぱいに描かれ、周りは、
黒地に金の梨地。
正直、これは、どうコメントしてよいのやら。

◆鼠地白花紋平茶碗 磁州窯
見込みの丸が印象的だ。
というのも、私は円相が昔から気になっているから。
美しい平茶碗である。
外側の梅鉢紋は無くともとっても瀟洒で美しい碗だ。
しかし、説明では、焼成の際に器を積み重ねた為の蛇の目状の
釉剥ぎ、とのみしている。
これこそ、景色と楽しむべきなのに、この解説は、やや残念。

◆唐物 鶴の子茶入 銘「漱芳」 
その形から、私には余り馴染めないものではあるが、
朱舜水の書があり、びっくりした。
あの水戸黄門様が師と仰いだ(確か)、朱舜水先生の書と
有り難く拝見した。
そういえば、中学生の時にいつか行こうと決めていた
湊川神社に未だ行っていない事を思い出した(苦笑である)。
記憶間違いでなければ、「鳴呼忠臣楠子之墓」は
朱舜水先生の書だったと思うが如何。

◆丹波茶入 山桜  
今回始めて接して、大変、感銘を受けた。
よくまあ、こんな好い銘をつけたものだと只々、感服。
はっきり言って、遠州さんの意図と私の感じたのは違うよう
ではある。
遠州さんの元にした歌は、「 咲く時はものの数にもあらねども
散るには漏れぬ山桜かな 」 ということだ。
私は、この景色を見て、散るなんて思いもよらなかった。
大和絵特有の霞と桜が入り混じった、山の遠景が目に
浮かぶ。
遠景だけでない、目の前の桜からずっと遠くまで繋がる、
未だ行ったことの無い吉野を暫し想像した。
まさに、世界を表現し、無限に広がっていく。
素晴らしい。
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Tracked from 徒然なるまままに at 2007-09-27 01:35
タイトル : 茶道具 ―付属品とともにたのしむ―
茶道具 ―付属品とともにたのしむ― 2007年4月28日から7月1日 泉屋博古館・分館 第一室 付属品とともに楽しむということで、普通の茶道具展ならば茶碗と仕覆、添書、箱ぐらいしか展示されていないのですが、大きな箱からすべて展示してあります。お道具という言葉がぴったりの重装備なことがよくわかります。 黄天目茶碗 銘 燕 元時代;朱漆の天目台が付属 小井戸茶碗 銘 六地蔵 李朝時代;遠州愛玩。銘は京都六地蔵で入手したことに由来。仕覆はオランダ東インド会社のVOCマークがなどがある紅毛裂。「名品茶碗」...... more
by tamon1765 | 2007-05-16 22:58 | お道具とお茶室 | Trackback(1) | Comments(0)

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