我儘から本当の生活が芽をふく

わたくしのこれまでして来たやうな、けちな辛抱からは、
いけないことや間違ひばかりが起こりましたけれど、
嘘いつはりのない我が儘からは、いくらでも、正しい、
ほんたうの生活が芽をふかうとしてゐたことに、この頃
やつと気がついたのです。

わたくしも、折角かうして、この世の中に生れ出さして
頂いたものですから、自分で一番正しい、と思ふことを
させて頂きたいのです。
正しい、といふことを言い換へれば、自分で一番したい、
と思ふことで、そのほかには、正しいなんてことは、
なんにもないのぢやアないでせうか。

人間が、しんにしたいと思つてすることなら、どんなこと
でもいい。

我が心の働きと思ふのが、悉くこれ天意なのだ。


 以上、里見弴 『 大道無門 』 から。
 私が名前を出すのも憚られるが、臨済和尚が繰り返し
 仰っていることと同じように思える。
 私には、里見の方が親しく、より素直に受け入れられる。
 里見の小説を読む喜びは、生きる喜びである。
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by tamon1765 | 2006-11-23 18:30 | ことば | Trackback | Comments(0)

気ま~まな独り旅


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